Web 2.0は、大手テクノロジー企業(および彼らによる危険なデータ収集)に支配されています。しかし、トラッカーをブロックし、VPNを使用し、自分のデジタル指紋を制限するために率先して行動する先進的なユーザーのおかげで、現代のWebはよりプライベートな方向にシフトしています。ユーザーたちは、常に追跡され、データを収集される監視経済に疲れ果てているのです。
これは、広告主にとって課題であり、同時にチャンスでもあります。プライバシーを重視するユーザーたちは侵略的な広告をブロックしているため、従来の広告チャネルを介して到達することはもはやできません。ブランドも広告主も、これからの時代で生き残るためには彼らのような手の届かないオーディエンスに適応する新しい戦略が必要です。ユーザーにリーチするための古いマーケティング方法はもはや通用しない世の中になってきたのです。
「到達できない」の意味
オンライン広告を通じて「手の届かない」ユーザーとは、オンラインで自分のデータやプライバシーを守るために積極的に行動し、Web 2.0の従来の広告チャネルでは簡単にターゲットにされない人たちのことを指します。その中には、プライバシーを重視する人、広告の掲載面積が少ない最新のプラットフォームをたまたま使っている人、単純に画面を見る時間を減らそうとしている人などがいます。動機が何であれ、こうした手の届かないオーディエンスは、一般的に従来のブランドが使用していた広告チャネルではリーチすることができません。
プライバシーを求める人たち
プライバシー意識の高いユーザーは、広告ブロッカー、VPN、プライベート検索エンジン、Braveのようなプライバシーブラウザなどのツールを使うことで、Web上での監視をうまく回避しています。大手テクノロジー企業に追跡されたり、同意なしに広告主にターゲットにされたりすることを望んでいないのです。こうした「到達できない」オーディエンスは技術に精通していることがほとんどです。また、しばしば(常にではありませんが)Web3や暗号通貨に関心を持っています。
消費者離れによるウェブ社会の再編
「到達できない」の範囲には、ユーザーのプライバシーを尊重しない(Facebookなどの)特定のプラットフォームから離れることや、有料のケーブルテレビや衛星テレビに依存しなくなるといったことも含まれます。若年世帯(世帯主が35歳未満)の3世帯に1世帯はケーブル・衛星放送を利用していませんが、そのうちの73%はNetflixやHuluなどのストリーミングサービスに料金を支払っています。また、「コード・ネバー」と呼ばれる、これまで一度もケーブルや衛星放送の料金を払ったことがない人たちもいます。2022年時点で、コード・ネバーはインターネット利用人口の10%を占めています(2019年の8%から上昇)。この傾向はZ世代が大きくリードしており、2019年には米国のコード・ネバーの8%を占め、2022年には22%まで成長しています。
コンシャスディスコネクター(意識的にWebを断絶している人たち)
プライバシーに配慮しないブランドやプラットフォームを避けることはもちろんですが、多くの人は単にスイッチオフして肩の荷を下ろしたいだけなのです。データによると、多くの人が1日に平均88回、合計5時間アプリを使用していることが分かっています。多くの人がこのような「アプリ中毒」の悪影響を感じており、無駄な時間を減らし、デバイスから自分自身を切り離すための措置をとっています。2019年の調査では、14か月間で追跡調査対象者の64%が実際にスクリーンタイムを1日平均5時間から4時間に減らしたことが示されています。
これが積み重なると、到達できないオーディエンスは、Web 2.0のマネーモデルにとって大きな脅威となります。彼らは巨大な影響力を持ち(米国のミレニアル世代は単独で1兆ドル以上の購買力を持っています)、時間やお金、そしてオンラインしているときの時間をどこに費やすかについて自らしっかりと意識しています。
「到達不能」の壁を越える
現実には、「到達できない人たち」という言葉は完全に正しいわけではありません。このようなユーザーは自分のデータを管理したいと考え、ブランドがWeb上で自分のプライバシーを尊重することを望んでいますが、それでもオンラインで買い物をする消費者であることに変わりはありません。ただ、自分自身の意思でそうしたいと望んでいるだけなのです。
皮肉なことに、到達できないオーディエンスに関する研究のほとんどは、「より多くのトラッキングツールやクロスプラットフォーム標準を開発し、ユーザーに広告を配信できるようにしよう」とするパニック状態のマーケティング担当者が発案したものです。多くの広告主や大手ハイテク企業は、プライバシーを最優先するインターネットへの移行を受け入れる代わりに、この傾向に少なからず抵抗しています。あるいは、「プライベート」と銘打っておきながら、実際にはまったく違う新機能やトラッキング技術を導入していることもあります。たとえば、サードパーティCookieからの移行に伴い、アドテクノロジー企業は代わりにブラウザおよびデバイスレベルのフィンガープリンティングに着目しています。
しかし、プライバシーを重視するハイテクユーザーは、このような戦術に引っかかることはありません。彼らはプライバシーツールの使用により一歩先を行っています。
こうしたユーザーにアプローチする最良の方法は、相手の条件に合わせて行動することが大切です。まずは相手のプライバシーを尊重しましょう。Cookieを使ったり、個人データを収集しようとするときは同意を求めること。ゼロパーティデータとファーストパーティデータを活用すること。収集したい情報と、それを使って何をするかを明確にすること。そして、収集したデータを匿名化することを心がけましょう。
プライバシーへの真のコミットメントを示すブランドは、プライバシー優先の未来において、こうした到達不能なオーディエンスを相手に成功を収めることができるでしょう。
到達不能なオーディエンスとつながるための戦略
到達不能なオーディエンスにリーチするための最善の戦略は、ユーザーのプライバシーを第一に考え、従来の広告モデルを見直すことにあります。新しい戦略はユーザー中心であるべきで、ユーザーのプライバシーに関する期待に応えることに焦点を当て、その過程でブランドの信頼とロイヤルティを構築することが大切です。プライバシーに敏感なユーザーにリーチするための効果的な戦略としては、次のようなものがあります。
- ゼロ / ファーストパーティデータ
- ネイティブ広告
- プライバシー保護に配慮した広告
ゼロ / ファーストパーティデータ
ゼロパーティデータは、サードパーティのクッキーやその他のプライバシー侵害の手段から同じ情報を得ようとするのではなく、調査、クイズ、フォーム、アンケートなどを通じてユーザーから直接得られる情報のことです。ゼロパーティデータは、ブランドとユーザーや顧客との直接的な対話から生まれるため、信頼とロイヤルティの確立に役立ちます。多くのブランドはサイトやアプリにゼロパーティデータのリクエストを組み込んでおり、たとえ到達不能なユーザーであっても、以下の理由でデータ共有に同意してもらえる場合もあります。
- そのデータが直接的に彼らの体験を向上させることができる
- ブランドが打ち出しているものが純粋に好きで、情報提供を求める透明性も好感度が高い
ファーストパーティデータは、企業自身のサイトやアプリとの直接的な相互作用から得られるものです。これには、ページ滞在時間、クリック数、デバイスやブラウザの情報などが含まれ、これらのデータは多くの場合、ウェブページのCookieを通じて収集されます。ファーストパーティデータは、プライバシーを保護しながら収集することができます(ただし、常にそうとは限りません)。多くの地域では、サイトは「厳密に必要」でない種類のCookieを使用する前にユーザーの許可を求めることが法的に義務付けられています(ヨーロッパのGDPRやカリフォルニアのCCPAなどの法律に啓発されたものです)。これらの許可要求は、「Cookie使用の同意」(通常はサイト訪問時にポップアップで表示される)の形で行われます。
ファーストパーティデータはサードパーティデータよりもプライバシーの観点から優れていますが、到達不能なユーザーの多くは、ファーストパーティかサードパーティかに関係なく、必須以外のCookieを拒否することに変わりはありません。たとえば、Braveブラウザは、「厳密に必要な」クッキー(サイトが機能するために必要なもの)以外はすべてブロックし、必須以外のCookieに関する同意フォームもブロックしています。同意フォームがブロックされた状態では、ユーザーが必要以上のクッキーを受け取ることを選択することは不可能です。しかし、ユーザーが同意した場合、この種のデータはブランドにとって非常に有益なものとなります。
ネイティブ広告
広告ブロッカー、プライベート検索エンジン、プライバシーブラウザを使用して、広告を完全にブロックする人が増えています。たとえば、Braveは、ユーザーが訪れるすべてのページでサードパーティの広告をデフォルトでブロックします。これは、検索広告、ページ上の広告、YouTubeなどのサイトのプレロールビデオ広告にさえも適用されます。しかし、ブランドにとってこれは、従来の広告ブロックの影響を受けないネイティブ広告戦略を活用するまたとない機会です。
ネイティブ広告(「スポンサー付きコンテンツ」)は、サイトに直接組み込まれるタイプの広告で、通常の広告ユニットのように機能しません。トラッカーやスクリプトが詰まったクリック可能な画像に依存せず、Web上でユーザーを追跡します。スポンサー付きコンテンツは通常、サイトの通常のコンテンツとほとんど見分けがつかないように設計されています。これはオーディエンスに真の価値を提供することを目的としているためですが、もちろんちょっとしたマーケティング効果も期待できます。ネイティブ広告の例としては、ポッドキャストや動画内の読み上げ広告、スポンサー付き記事などがあります。また、ポップアップで押し付けがましく配信されるのではなく、ネイティブ広告はコンテンツそのものに直接統合されているのが特徴です。
このネイティブ広告はニュースサイトやマーケティングサイトによく見られます。単に売上を上げるためだけの広告ではないため、一般に従来の広告よりもユーザーへの干渉が少ないと考えられています。また、スポンサー付きコンテンツはサイトと高度に統合されているとはいえ、ユーザーが広告に反応することを選択する必要がある場合が多いため、広告主はユーザーのリアクションを通じて真の付加価値を見極めることができます。また、スポンサー付きコンテンツを公開することで、ブランドはユーザーがすでにホストサイトに対して持っている信頼から利益を得ることができます。たとえば、人気のあるニュース媒体がスポンサー付きコンテンツを公開した場合、視聴者はそのニュース媒体を信頼しているためより広告への反応が上がるかもしれません。
プライバシー保護に配慮した広告
プライバシーを保護する広告は、閲覧に同意したユーザーに対して匿名で提供されます。たとえば、Brave広告は、ブランドがプライバシーを保護しながら、通常では到達できないオーディエンスにリーチする広告キャンペーンを実施することを可能にします。これは、ユーザーが自分のデータをコントロールできるようにする世界初のプライバシー保護広告プラットフォームです。Braveブラウザを通じて、ユーザーは見たい広告の種類を選択することができます。広告表示をオプトインすることでユーザーはデジタル広告のエコシステムに参加し、広告の閲覧を通じて報酬を得ることができます。
Brave広告の表示を選択するユーザーは、従来の広告チャンネルではリーチできない人々です。彼らはプライバシーを重視し、広告をブロックするためにBraveブラウザを使用しています。80%がケーブルテレビや衛星放送を契約しておらず、Snapchat、TikTok、Pinterestを使用している人はわずか20%に留まっています。
Braveは、ユーザーの同意なしにデータを収集する代わりに、広告を受け取りたいかどうかをユーザーに選択させ、その参加に対して報酬を付与します。これは、トラッカーやCookieなど、ウェブ上で絶えず表示される従来型の広告を排除した、誠実なオプトイン広告です。Braveの広告ユニットには、ブラウザの新しいタブに表示されるフルページのスポンサー付き画像、Braveニュースフィードのネイティブ広告、プッシュ通知などさまざまな種類があります。
Brave広告はブラウザに直接ダウンロードされ、閲覧を許可したユーザーと匿名でローカルにマッチングされます。個人情報がBraveのサーバーに戻されることはありません(ユーザーのデバイス以外のところに送信されることもありません)。Braveは各ユーザーの行動を評価して報酬額を決定しますが、ユーザーがどの広告を閲覧したかについては把握していません。Brave広告が広告主向けに作成するレポートは集計され、(プライバシーを尊重しながら)ブランドリフトを測定するアンケートを介して収集されます。Brave広告を利用してプライバシーを尊重した広告を出すことにより、これまでリーチできなかったオーディエンスからの認知度向上を期待することができます。これはまさに、プライバシーを重視する未来に向けたウィンウィンの広告モデルです。
注:Brave広告は、Braveがブロックするページ上のサードパーティ広告に代わるものではありません。ブラウザ自体にシームレスに統合された、小さくて邪魔にならない広告ユニットです。
Web3時代に向けたブランドの位置付け
到達不能なオーディエンスが増えているのはWeb3ばかりではありませんが、この2つは密接に関連しています。世界の大半はまだWeb2.0で動いており、ユーザーはWeb2.0のプラットフォームやソフトウェアでデータをコントロールし、プライバシーを保護するための手段を取ることが多くなっています。しかし、Web3の世界では「データ主権」が常識となっています。そして、「稼げる」要素も共存しており、人々は自分の行動とデータに対して何らかの見返りが得られることを期待しています。このようなウェブの進化により、ユーザーがブランドに対して抱く期待も変化しています。人々は、単に「ユーザー」であることを望むだけでなく、積極的に参加できるコミュニティに参加することを望んでいるのです。より多くのユーザーと顧客が一歩進んだデータ制御とプライバシーを選択する中で、これらの増え続ける到達不能なユーザーに広告を見てもらうことはますます難しくなっていくでしょう。
時代が変化する中で、ユーザーに対抗するのではなく、ユーザーと共に行動するブランドは認知度、信頼度、ロイヤルティを高めることができます。こうした信頼があってこそ、広告を通じたエンゲージメントを増加させ、到達不能なオーディエンスへの扉を開くことになるのです。Brave 広告をお試しいただき、プライバシーファーストの未来に向けた広告戦略を構築しませんか。詳細はhttps://brave.com/brave-ads/をご覧ください。