OriginのMatthew LiuとNick Pouldenをゲストに迎えてのAMA

BATコミュニティによるAMA(Ask Me Anything:何でも聞いて)のシリーズ、今回の特集へようこそ。

BraveやBATチームから様々なゲストを呼んでお届けしているRedditのAMAシリーズですが、今回はBraveが連携するプロジェクトや団体からのゲストが登場します。

つい最近、4月16日に開催したAMAでは、Originの共同創業者のMatthew LiuとシニアエンジニアのNick Pouldenが登場しました。Originは、商品やサービスの売り手と買い手が分散型のオープンウェブ上で取引できる、シェアリングエコノミーのプラットフォームです。MattとNickは、Origin MarketplaceとDshopについてRedditユーザから事前に寄せられた質問とその場で寄せられた質問に答えてくれました。Origin Marketplaceは、Origin独自のプロトコルを使って構築した最初のマーケットです。また、DshopはOriginの分散型eコマースのショッピングサイトです。ちなみに、新しく登場したBrave Swag Storeの基盤にはDshopを採用しています。ブロックチェーンを基盤とする商取引が世界に必要だと考える理由や、従来のソリューションと比較した場合、どこに優位性があるとみなしているかについて、2人の考えを共有してくれました。

その中からの抜粋を紹介します。AMA全文へのリンクは、本記事の下に記載しています。

次回のAMAは4月29日(水)です。ゲストにはWeTapの創設ディレクター、Evelyn Wendelが登場します。

ImahComputah: Braveの評判はもっぱら「クチコミ」で広がったようですが、Originの評判も同じようにクチコミで広がると思いますか?特に、個人のオンラインストアを作りたい人たちに広がって、オンラインストアを贔屓にしているお客さんにブロックチェーンを広めていけると考えていますか?

Nick: クチコミは宣伝方法として最も効果的だと思います。僕たちは、ユーザが既に利用したことのあるプロダクトに匹敵する体験を提供し、かつ既存のプロダクトよりも低価格で利用でき、ソフトウェアとデータを徹底的に管理できるようにすることで、ユーザを魅了できるプロダクトを創り出そうとしています。基本的には他と変わらないサービスをより低価格で利用でき、より行き届いた管理が可能だということをひとまずユーザに理解してもらって、クチコミでぐんと広まっていけばと考えています。

Matt: ImahComputahさん、こんにちは。最初の質問をありがとうございます。僕たちのプロトコルを使って構築した様々なアプリを介して、何億人ものユーザにOrigin Platformを使ってもらうことが目標です。アプリの中には、DshopやOriginのマーケット (www.shoporigin.com)など、僕たち自身が作ったものや、サードパーティが作ったものがあるだろうと思います。新しくオンラインストアを作り、オーディエンスにこのオンラインストアの販売促進をしたい人にとって、大きな市場が開けていると考えています。こういった点から、Originがクチコミで広がる可能性があると見ているわけです。また、BATと同様に、OGNトークンも新規ユーザを呼び寄せるためのインセンティブになると思います。

mcDonaldTrumpet: 既存のeコマースプラットフォームは他にいくらかありますが、Originを使うべき理由は?

Nick:

  1. Originは無料で使えます。
  2. 顧客データは店主であるあなたしか見ることはできません。
  3. Originはオープンソースなので、あなた自身あるいはあなたが雇った開発者は、システムをどんな風にも簡単に変更できます。
  4. Originで商品を掲載する際には、興味がある人が誰でもこの商品を販売できるようにオプトインできます。何千というストアが商品を売り出してくれるかもしれません。ブロックチェーンは、公開データベースへの無料APIのようなものです。
  5. OriginはEthereumを基盤に構築しています。つまり、既存のプラットフォームでは実現不可能なユースケースを活用しやすくなるのです。例えば、ストアの信用度やロイヤルティポイントをERC-20トークンで示すことができます。

xRizk: OriginはBraveのようにプライバシーを重視しますか?

Nick: Originはプライバシーを重視します。Originのストアには追跡スクリプトはなく、Originからのメールに追跡用のピクセルが埋め込まれていることもありません。また、Originのサーバにはログが記録されず、顧客データは受注処理の完了後、速やかに削除されます。僕たちがBraveのストアのパートナーとして選ばれたのは、こういった理由からです🙂

rotcelloC_ehT: 大企業をパートナーにするようなB2B寄りのビジネスを目指していますか?それともプロジェクトはコミュニティの中で自然と広まっていくのでしょうか?

Nick: 誰でも簡単に自分のDshopを展開して運営できるような準備が整った後は、コミュニティ内で自然と広まっていけばいいなと考えています。現時点で一般向けにはちょっと専門的で細かすぎるところがありますが、今後数週間、数ヵ月で変わってくるはずです。大企業のパートナーについて、新しいビジネスチャンスの話はいつでも大歓迎です。

Matt: 初期段階では、Origin Platformをもとに僕ら自身でアプリをいくつか構築して、Origin Platformの可能性や有効性を示していく予定です。Originのモバイル向けアプリ(www.originprotocol.com/mobile)など、こういったアプリは僅かながらあって、アプローチはB2Cです。大規模な僕らのグローバルコミュニティからエンドユーザを引っ張ってきています。ただ、中長期的なアプローチはB2B2Cです。早くから連携していたBraveなどのパートナーと協力しながら、パートナーのストアやアプリケーションを構築しているところです。重要なビジネスパートナーをさらに引き寄せて、ネットワーク経由のトランザクションを増やすという僕らとパートナーの共通の目標を目指して、全員がインセンティブを得られるようになります。つまり、Origin独自のアプリケーションで成長していくだけでなく、こういったパートナーのビジネスをもとに成長することも可能ということです。

AutobachCrypto: 世界にブロックチェーンを基盤としたeコマースが必要な理由は何だと考えていますか?主なチャンスは何にあると思いますか?

Nick: 僕が考える主なチャンスは、オープンかつパブリックなデータ層です。例えば、誰でも他のストアから商品をセレクトしてストアを作れて、受注処理やカスタマーサービスを行わなくても商品の販売手数料で稼ぐことができるでしょう。卸売をする人にとって夢のような方法ですね!

Matt: ブロックチェーンを基盤にしたオープンソースのプラットフォームでも、自由で開かれた商取引ができるようになります。個々の買い手や売り手が、お互いどのように取引したいかを決定できるのです。これにより、現在デジタル経済が発展していない、あるいは検閲が厳しいなどといった世界の特定の地域にもチャンスが生まれます。

Dyan Lee (Twitterより): Nickにぜひ背景技術やアイデアを思いついた過程を教えてほしいです!

Nick: 元々のアイデアは、Ethereumの公式スワッグストアがストア運営にShopifyを使っていて、支払い方法がPayPal(!)なのを見た時に思いつきました。これって矛盾しすぎですよね!それで、EthereumとIPFSのみを使う別の方法を作り出そうと決めました。その時作ったのが後にDshopとなりました。近い将来、Ethereum財団にもストアをDshopに変えてもらうように説得できたらと思っています。

mcDonaldTrumpet: Originには買い手や売り手を保護する方法がありますか?

Nick: Originでは、Marketplaceのスマートコントラクトに第三者預託(エスクロー)システムを組み込んでいます。買い手が購入する際に、買い手が紛争を開始できる期間(例えば2週間など)をあらかじめ決めておきます。買い手が紛争を開始すると、事前に合意していた仲裁者が買い手と売り手の両方から示された証拠に基づき、買い手が返金を受けるべきかを決定します。紛争が生じないままこの期間が過ぎると、売り手は第三者預託からお金を受け取ります。あるいは、買い手が商品を受け取って満足すれば、買い手はこの期間終了を待たずして売り手がお金を受け取れるようにできます。

Matt: 付け加えると、サードパーティのeコマースやマーケット運営者は、顧客との同意のもとで選出した仲裁者に仲裁を頼むことができます。Origin対応のアプリごとに、買い手と売り手を保護するために異なるタイプの方法を採用していく予定です。

adspca: さっき(Brave Swag Storeで)グレーがかった青のBraveロゴ入りTシャツを購入しました。2つ質問があります。チェーン上で自分のトランザクションを確認する方法はありますか?それとIPFSの統合について、もっと詳しく教えてもらえますか?IPFSを使うとユーザは遅く感じると思うんですが、自分の場合では読み込み時間に差はありませんでした。OriginのIPFSプロバイダは複数のクラウドにあるのですか?Originを作ってくれて感謝しています。14歳の娘が膨大な量のステッカーをコレクションしていて、これを売ってお金にしたいと言っているので、Originで娘と一緒にステッカーストアを開店したいと思っています。ストアを作るのが楽しみです。ではでは!

Nick: チェーン上のトランザクションIDは、受領通知メールで注文確認用リンクをクリックして表示されるURLに記載されています。IDをコピーして、Etherscanの検索欄にペーストしてみてください。IPFSのハッシュを確認できるはずです。ただ、ハッシュはbs58で暗号化されています。IPFSに保存されているデータをもっと簡単に確認するには、注文確認ページでブラウザのネットワークタブを開いてください。ただし、極秘データはすべて暗号化されているので、プレーンテキスト上で個人を特定できるようなものはひとつもないはずです。

今のところIPFSは良好でパフォーマンス性も高いので、読み込み時間などに関しては問題なしです。

娘さんのステッカーストアが出来た時には、ぜひとも覗いてみますね!

ImahComputah: Originは1回限りの小規模なオンライン「ポップアップ」ストアに適していますか?オンラインで個人が出しているようなストアのことです。それとも、商業活動全体が対象ですか?例えば、ゲーム会社が商品やデジタルグッズを販売するストアみたいな?

Nick: 僕らはどんな規模にも対応できるプラットフォームを作りたいと思っています。すべてのソフトウェアはオープンソースでパブリックブロックチェーンを基盤に構築しているので、このプラットフォームを使って誰でもツールやアプリケーションやサービスを作れます。どんな組織や団体も、諸条件や手数料で制約を加えることはできないので安心です。これにより、Origin Protocolを基盤に豊かで多様なエコシステムが形成されるといいなと思っています。

spacekitty: CraigslistやFacebook Marketplaceなど、友人や家族、地元コミュニティを対象に物品をお金に換えたり物々交換をしたりできる有機的なプラットフォームと比べた時に、Originのp2pコマースに参加するユーザにとって何がインセンティブになりますか?(全体的に優位性があるのか、物々交換の途中に暗号化方式を別途はさむことがただ単に魅力的なのか)。取引にあたっての「相互信頼」の面で、Originはどのように対応していますか?

Nick: Originでは、店主は基本のプロトコルの上に多彩なインターフェースを構築できます。そのため、開発者はOriginのデータ層を使ってCraigslistやFacebook Marketplaceのクローンを自由に作れるのです。開発者は、オープンソースにして他の人も開発に参加してもらうことも可能です。

Matt: ちょっと付け加えると、日常的にOriginを利用しているユーザがOriginのアプリを使うだけで、Originネットワークで使用可能な報酬が付与される、というようなことも考えています。早くからOriginを使ってくれているユーザは、Platformの紹介、トランザクション、リスティングといった価値を提供してくれることに対して報酬を与えられるべきだと考えています。現在では、数万人のユーザが僕たちのeコマースやマーケットのアプリで使えるOGNを少しばかり持っています。報酬は、ネットワークを広げるための強力なインセンティブとなります。

AMAの全文はこちらです。 

BATコミュティからの最新のお知らせ:https://www.reddit.com/r/BATProject/

 

BATコミュニティによる今後のAMA:

2020年4月

Evelyn Wende(WeTapの創設設ディレクター)

2020年5月

Suzi Wilkenfeld(Kindhumansの共同創業者&社長)

 

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