デジタル広告市場の大きな変化

ウェブは根本的に変わりつつあります。その一方で、オンライン上でより高度なプライバシーを求める動きが本格化しています。ユーザーは自分の個人情報がしっかりと保護されることを期待し、政府もユーザーの主張を支持する中で、大手テクノロジー企業もしぶしぶその声に耳を傾けています(ただし、彼らが実際に行動を起こすかどうかは別の話です)。そういった中で、Web3を支える暗号、ブロックチェーン、分散型アプリケーションなどの技術を活用すれば、ユーザーはこうした大手企業やメガバンクを完全に回避することができます。この動きによりWeb2.0の広告プラットフォームを支えるデータは枯渇しつつあり、広告主たちには甚大な影響が及んでいます。結果としてユーザーはこぞって大手テクノロジー企業の網から去りつつあり、広告業界はコストはかさむがROI は低下という悩ましい事態に陥っています。

しかし、経験豊富な広告主はこの変化を恐れることなく、この新しいWeb3の世界を受け入れてオーディエンスとつながろうとしています。現代の多様なニーズに応え、プライバシーを尊重するユーザーファーストのウェブに備えようとしているのです。

Web 2.0広告の原動力は「ユーザーデータ」

人々がオンラインで時間(とお金)を費やすと、膨大な量のデータが生成されます。検索、クリック、購入、視聴、共有などあらゆる行動が含まれます。こうしたデータは、それを収集する企業にとって非常に価値のあるものです。実際、データは金や石油などの資源を凌ぐ、地球上で最も価値のある資産となっています。

このデータを収集・管理し、利益を得ているのは誰なのでしょう?このいわゆる「監視経済」を支えているのは?もちろん、(GoogleやFacebookなど)現代のインターネットを形成するのに貢献した大手のテック企業たちです。

膨大な数のユーザーを集め、中小企業を飲み込むことで、これらの大手企業はSNS、検索エンジン、クラウドコンピューティング、ソフトウェア、ハードウェアなどの技術分野を支配するようになりました。彼らは、私たちがオンラインで行うほぼすべてのことを統括する中心的な権威なのです。

公平を期して言えば、これらの企業があからさまにユーザーのデータを盗んでいるわけではありません。今日のウェブ社会では、ユーザーはGoogleやFacebookなどへのアクセスと引き換えに、自分のデータを「自由に」提供しています。皆これらのプラットフォームを無料で使いたいがために、SNSを楽しむための入場券として自分のデータを渡しているのです。一部のユーザーは、自分のデータが収集されていることや、それがどれほど貴重なものであるかに気づいてさえいません。

ユーザーが意識しているかどうかに関わらず、データの収集(および乱用)は基本的にWeb 2.0の運用方法の中核に組み込まれています。アプリを運営するには資金が必要となるため、企業はユーザーのデータを収集し、それを使ってプラットフォーム上で高度にターゲット化された広告スペースを販売することで収入を得ています。つまり、Web 2.0は「読み書き」型のウェブであり、ウェブ上ではユーザー自身が製品となりうるのです。

しかし、データはこれらの企業のパワーの源である反面、最大の弱点でもあります。もし、そのデータが枯渇し始めたらどうなるのでしょう?

デジタル広告の変化:消えゆくデータ

現在、Web 2.0アドテクノロジーの核となるデータソースが減少し、オンライン広告の旧モデルを脅かしています。この脅威となる原因は大きく分けて3つあります。

  • 個人情報保護に取り組む消費者
  • ユーザーのプライバシーをサポートする政府の法律
  • 大手テック企業間の競争

消費者の不信感は高まるばかり

ユーザーが、物事の仕組みに無頓着なままネットサーフィンをしていた時代は終わりました。今や、ユーザーは自分たちのデータが収集され、大手テクノロジー企業の懐に入るために利用されていることを理解しています。このデータモデルがユーザーにとって不利益で、自らの生活を脅かす危険なものであることも知っています。企業の不手際により、ユーザーの機密情報が漏えいしたという不祥事も頻繁に報告されていることを思えば無理のない変化でしょう。

これらの理由から、多くの人が自分のデータを管理するようになっています。GmailからProtonMailへ。ChromeからBraveへ。iPhoneのプライバシー機能(App Tracking Transparencyなど)を利用する人も増えました。さらに、Facebook離れの傾向も高まっています。人々はCookieを拒否し、広告ブロッカーやVPNを利用するようになりました。

プライバシーとデータの自律性は、かつてWeb2.0の世界では後回しにされていましたが、今ではウェブを語るならこれらの概念が欠かせません。この考え方はWeb3の中核にも組み込まれています。

政府の対応

データの独占と不始末が横行するWeb 2.0の経済モデルは、当然のことながら注目を集めています。政府規制当局は、欧州のGDPRやカリフォルニア州のCCPAのような新しいオンラインプライバシー法のみならず、多くの大手テック企業の再編に焦点を当てた反トラスト(独占禁止)法案を可決しています。2021年だけでも、米国では少なくとも27の法案が州議会で提案または可決されました。これらはすべて、データ経済の規制とデジタル著作権の保護を目的としたものです。

大手テクノロジー企業のデータポリシー

より多くのユーザーが自分のデータの保護に関心を示し、規制当局が大手テクノロジー企業によるデータ収集に迫る中、減少するデータの供給をめぐってこれらの企業間での争いが勃発しています。これにより、かつてはシームレスだったコミュニケーションに対して、プラットフォーム間で「壁のある庭(ウォールドガーデン、クローズドプラットフォームとも)」が形成されつつあります。ここでは何が追跡可能で何が不可能なのか、そしてそのデータをどのように(あるいはどのように)共有できるかといった調整が行われており、Web 2.0広告モデルの原動力であるサードパーティデータに大きな打撃を与えています。

たとえば、Facebook広告キャンペーンからデータをエクスポートして、Googleのアドマネージャーに移し替えることはできません。また、Appleは現在、iOSモバイルユーザーにクロスサイトトラッキングをオプトアウトする機能を提供しています(App Tracking Transparencyと呼ばれる機能がこれに当てはまります)。そして何と、95%以上のユーザーがこのオプションを利用しているといいます。

これらの「自己責任」による変更点によって、広告のターゲティングは総合的により難しくなります。さらにコストもかさみ、効果も薄れてしまいます。サードパーティのCookieやクロスサイトトラッキングに大きく依存しているプラットフォーム(Facebook、Twitter、Instagram、Googleなど)は、データ供給の世界から締め出されようとしているのです。

なお、Appleがこのような大幅な変更を行えるのは、結局のところ彼らがハードウェア会社であるからです。Appleは広告販売ではなく、iPhoneやmacOSのようなデバイスの販売で利益を得ています。他のハイテク企業の場合、データポリシーの変更は規制当局への単なるリップサービスであったり、自社が競合他社に対して優位に立つためであったり、「プライベート」という言葉を宣伝文句として使っている場合がほとんどです。これらは、プライバシーを優先するウェブを育成するための誠意ある努力というよりも、必要最低限の変更に過ぎません。

これらの状況をひっくるめて考えると、Web 2.0の経済モデル、ないし私たちがよく知っているWeb 2.0企業の「終わりの始まり」が訪れていることを実感させられます。

プライバシーの未来とデジタル広告の変化

大手テクノロジー企業はCookieのような古いツールを段階的に廃止していますが、その一方でブラウザやデバイスレベルのフィンガープリンティングのような新しく、より複雑なトラッキング方法を精力的に開発しています。ゲームの土俵とプレーヤー、ゴールは変わりません。ただルールが少し違うだけです。ユーザーはこれに愛想をつかし、広告ブロッカーやVPNなどのツールを駆使するなどしてこれらの企業が支配するデータエコノミーの一歩先を行こうとしています。中には、大手テクノロジー企業を完全に見捨てて、Web 3に移行している人たちもいます。

これは、技術系企業や広告主にとっての課題であると同時に、大きなチャンスでもあります。ユーザーのプライバシーは、それを正しく理解したブランドにとってはセールスポイントとなり得ます。プライバシーを確実に保護する機能があれば、市場でも差別化を図り、新しいユーザーを引き寄せることができるでしょう。たとえば、Appleは積極的に「大手テック企業によるデータ収集」を制限しており、Apple製ハードウェアの売上は史上最高を更新し続けています。そして、Braveユーザーの51%は、プライバシーを尊重した方法で広告を出すブランド(VerizoneToroなど)についてよりポジティブな印象を持っているようです。こういった意味でも、Web3 はプライバシーを重視するユーザーとブランドの双方にとって本当の意味で有望だといえます。

人々はデータ保護とプライバシーを望んでおり、政府もそれを支持しています。テクノロジー企業も(不本意ながら)これに歩調を合わせているのが現状です。将来的には、ユーザーが自分のデータを完全にコントロールし、強固なプライバシー保護を期待することができる世界が訪れるでしょう。インターネットはもはやアドテクノロジーに支配されることはないでしょうが、ブランドがこの流れに適応し、新しい戦略を取っていくならばその余地はまだ残っています。

Web3への移行は一夜にして実現するものではありませんが、もうすでに起こっています。このため、ブランドや広告主は、さまざまなWeb3戦略を今すぐテストし、他のブランドが参入してくる前に効果的な戦略を練り上げる必要に迫られています。

プライバシーを尊重し、Web3ユーザーとつながる

アドテクノロジーは今後、プライバシー優先のインターネットに対処することを余儀なくされるため、デジタル広告主たちの立場はかなり危ぶまれています。Web3 の未来で生き残るために、ブランドと広告主はいずれも、広告で新しいユーザーを引きつけるための戦略を根本的に変えていかなければなりません。

以下ではブランドが今すぐ検討すべき、Web3フレンドリーな3つの戦略をご紹介します:

  • ゼロパーティデータ
  • ファーストパーティデータ
  • プライバシーを尊重した広告

ゼロパーティデータ:ユーザーから直接得られる生の声

ゼロパーティデータは、ユーザーから直接得られるデータです。ブランドは、調査、クイズ、フォーム、アンケートなどを通じてゼロパーティデータを収集することがよくあります。これはつまり、人々に意見、嗜好、習慣、または興味を尋ね、その回答を記録することで得られるデータです(常にではありませんが、匿名でも可能です)。ブランドとユーザーの間の直接的なコミュニケーションを可能にし、コミュニティを育むのに役立ちます。

多くのブランドは、ゼロパーティデータのリクエストをサイトやアプリに組み込んでいます。これらの機能はより良いユーザー体験につながるため、ユーザーはデータを提供することにインセンティブを感じます。たとえば、Yelp!では、食事の好みや制限、車やペットを飼っているかなどのライフスタイルの情報をユーザーに尋ねています。Yelp!はユーザーが自発的に提供したこれらのデータをもとに、よりユーザーのニーズに合った企業を推薦することができます。多くの人はこれを侵略的なものとは考えず、「透明性のある対話の中で共有したいデータだけを自由に提供し、自分の体験をより良いものにできる機会」として高く評価しています。

ゼロパーティデータを生成するプロンプトの例:

  • ご予算はおいくらですか?
  • 何人分の買い物をされる予定ですか?
  • どのような製品に興味がありますか?
  • 新しい製品を試す可能性はどのくらいありますか?

ユーザーは、自らが信頼するブランドに意見を提供する傾向があります。つまり、ブランドにとっては「ユーザーや顧客と永続的な関係を築くこと」が重要なのです。この段階に達するまでには時間がかかりますが(第三者のデータを購入するほど簡単ではないのは確かです)、その見返りははるかに大きいといえます。

このやり方では、直接的な情報(例:「5人家族で、液体よりポッドタイプの洗濯洗剤を好み、敏感肌」)を得ることができます。間接的な情報(例:「この人は最近洗濯機を買ったから、洗濯洗剤にも興味があるかもしれない」)とは性質がまったく異なることがおわかりでしょう。

ファーストパーティデータ:ユーザーのWeb上の活動 

企業がファーストパーティデータを収集するのは、ユーザーが自社のサイトやアプリと直接やりとりするときです。この種のデータは(常にではありませんが)ユーザーの匿名性を維持する方法で収集されることがあり、例としては次のようなものがあります。

  • サイト内で訪問したページ
  • 1ページの滞在時間
  • ページの下方向へのスクロール量
  • 購入までに訪れたページ数
  • クリック数(ページ上、またはメールなどのマーケティングツールからのクリック数)
  • デバイス情報
  • ブラウザ情報
  • ローカライズされたデータ(言語・地域など)
  • 購入履歴

ファーストパーティデータは、サイトやアプリを定期的に利用しているユーザーや、リピーターにとって貴重なデータです。また、企業やブランド自身が収集するため、基本的に無料で収集でき、サードパーティデータよりもはるかに信頼性が高い場合があります。また、ファーストパーティデータは、収集した企業によってのみ管理されるため、サードパーティデータと比較して競争優位性があります。これに対して、サードパーティデータは、ほとんどの場合、複数の当事者によって活用されています(そのため、競合他社があなたと同じデータを保有している可能性があります)。

ゼロパーティデータと同様に、ファーストパーティデータも高い精度と信頼性を備えています。大きな違いは、ファーストパーティデータは直接的な対話ではなく、受動的なユーザーとの対話から収集されるため、必ずしもコミュニティ形成の助けにはならないという点です。

注意:最近のプライバシーに関する法律では、サイトで厳密に必要なCookie以外のものを使用する場合はその前に(一部のユーザーに対して)許可を求める仕組みが採用されています。これらの「Cookie使用の同意」はたいていポップアップとして表示され、多くのユーザーはそれを拒否しています(もしくは、Braveブラウザを使用している場合はこのような同意は表示されません)。

Brave広告:プライバシーを尊重した広告

ファーストパーティおよびゼロパーティデータは、インサイトを得たり、会話を始めたり、既存のユーザー基盤により良い広告を出すことを望むブランドにとって重要なマーケティングツールです。しかし、自社のウェブサイトやアプリをまだ利用していない新規ユーザーの獲得や成長を促進するにはまだ不十分な場合があります。このような場合、ブランドはサイト間でユーザーを追跡することによって生成されるサードパーティのデータに頼ることになりますが、この行為はまさにユーザーが反発している対象です。

しかし、Brave広告ならプライバシーを尊重しつつ、広告を通じて新しいオーディエンスにリーチする機会が得られます。

Braveブラウザは、デフォルトでサードパーティのトラッカー、クッキー、広告をブロックし、通常の広告チャンネルがプライバシーを重視するユーザー(この傾向が拡大しつつあります)にアクセスするのを回避します。しかし、Braveは、プライバシーを保護する新しい広告モデルも提供しています。Brave広告は、プライバシーとCookieのない未来のために構築された、初のグローバルなデジタル広告プラットフォームです。Braveブラウザならユーザーは見たい広告の種類を選択することができます。また、広告表示をオプトインしたユーザーは、それと引き換えに広告収入の一部を受け取ることができます。

Braveなら、通常では到達できないオーディエンスに広告を通じてアクセスすることができます。BraveブラウザはWeb全体の広告をブロックするため、Braveユーザーへのアクセスはほぼ不可能であるからです。ユーザーの80%は有料のケーブルテレビや衛星放送を契約していません。Facebookの利用者層は51%にとどまり、Snapchat、TikTok、Pinterestになると5人に1人まで縮小します。

また、Braveは決してユーザーの同意なしにデータを収集することはありません。Brave広告はトラッカーやCookieなど、ウェブ上で個人情報を追跡する怪しげな技術を使用しない、誠実なオプトイン広告であり、ユーザーはこれを通じてデジタル広告のエコシステムに参加することができます。

注:Brave広告は、Braveがブロックするページ上のサードパーティ広告に代わるものではありません。ブラウザ自体にシームレスに統合された、小さくて邪魔にならない広告ユニットです。

プライバシー重視の未来における広告

ユーザーはWeb3やプライベートなインターネットツールをますます好むようになり、Web2.0のアドテク基準ではもはや手が届かなくなりつつあります。プライバシーを重視し、データの自律性を尊重する未来が訪れることは明白で、これはデジタル広告業界にとって大きな変化の兆しです。この新しいプライバシー重視のインターネットは、信頼と同意がすべてです。これはユーザーに対して誠実であること、そしてトラッキング、Cookie、データの使用方法についてユーザー自身に決定してもらうことを含みます。

今こそ、ブランドや広告主は、先手を打ってWeb3戦略を構築しなければなりません。ファーストパーティデータとゼロパーティデータに焦点を当て、コミュニティの構築、顧客との直接的なやり取り、そしてユーザーのプライバシーを尊重した新しい広告のあり方を模索すべき時がやってきたのです。
また、Brave広告のような革新的な新しい広告プラットフォームの登場により、ブランドはプライバシーに敏感なユーザーと関わり、Web3の世界で成長し続ける機会を得ることができます。準備ができたら、ぜひBrave広告 で新時代の広告モデルを体験してみてください。

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