BraveやSafariなどのプライバシー重視のWebブラウザは、長年にわたってサードパーティのCookieをブロックしています。それ自体は技術的な課題ではありません。また、サードパーティのCookieをブロックしても、それだけではトラッキングからユーザを保護するには不十分です。Braveは、GoogleのChromeチームが今後2年以内にブラウザプライバシー保護における第一歩となる機能を導入する可能性を検討してくれることを喜んでいます。
2年後というのはかなり先の話になりますが、それまで息を止めて待っている必要はありません。私たちが提供するBraveを使用すれば、今日からサードパーティのCookieをブロックでき、しかもサードパーティCookieに限らずより優れたプライバシー保護機能を利用いただけます。もちろんその2年の間にも、Braveの保護機能は機能追加と改善を続けていくのです。
機能 | Brave(現状) | Chrome(現状) | Chrome(2022予定) |
---|---|---|---|
サードパーティCookie | ブロック1 | 送信 | ブロック |
既知のトラッカーへの通信 | ブロック | 許可 | 許可 |
識別子のライフタイム | 制限 (トラッキングを防止) | 無制限(トラッキング可能) | 無制限(トラッキング可能) |
リファラーのトラッキング | ブロック2 | 許可 | 許可 |
サードパーティサイトによるフィンガープリンティング(端末識別) | ブロック | 許可 | 許可 |
HTTPsによるセキュアな通信 | サイトが要求した場合、またはEFFのHTTPS Everywhereリストで識別されるサイトの場合 | サイトが要求した場合のみ | サイトが要求した場合のみ |
Googleが2022年までにサードパーティのCookieを介したユーザーの追跡を停止するというコミットメントをうまく行ったと仮定すると、それは広告の巨人にとって大きな影響があるでしょうか?おそらくないでしょう。
GoogleはWebの80%以上に何らかの形で存在しています。 Googleアナリティクスは、ウェブページ管理者がトラフィックを分析するためち利用されています(85%の市場シェア)。 Gmailは、全メールアドレスの16.4%を占める最も人気のあるメールプロバイダーです。 Google Hosted Librariesは、CDNの54%以上を占めています。 Google広告は、市場シェアの96.2%を占めデジタル広告業界を支配しています。最後に、Googleのタグマネージャーは、タグマネージャー市場の99.1%を獲得しています。3
Chromeのポジションと構成についても見てみましょう。Google Chromeは、市場で最も人気のあるWebブラウザーであるため、注視する必要があります。バージョン69で「Identity consistency」が導入され、Gmail、YouTube、またはその他のGoogleプロパティにログインすると自動的にブラウザー自体がするようになったことに多くの人が驚かされました。またアドレスバーはデフォルトでフォルトでキーロガーとして機能し、入力したキーや間違って貼り付けてしまった内容などが、サジェスト機能利用のために全てGoogleに送信されています。
デフォルトでプライバシー保護とは?
私たちがデフォルトでプライバシー保護、という時それはユーザであるあなたを第一にすることを意味します。ウェブはあなたにサービスを提供するため存在し、その逆ではありません。ウェブを閲覧したときに何が起こるかを知るためだけに、何千ページにもわたるプライバシーポリシーをも読む必要はありません。ウェブ上であなたをフォローしているかどうか、についてサイト側が言っている言葉を信頼する必要はありません。 Webブラウザが、サイトがあなたを追跡しようとした時にあなたのプライバシーを守れば良いのです。
Braveは近年ウェブに組み込まれているトラッカーからユーザーを保護するために最善を尽くしています。ウェブを今のような形である必要はないのです。トラッキングを可能にするためにあるウェブなど必要はありません。私たちはウェブの抱えるその問題を修正するために取り組んでいます。それが、ウェブを支える技術仕様を監督する標準化団体であるW3Cで懸命に取り組んでいることです。Braveは、Braveを使っている人だけが追跡から保護するだけでなく、他の全てのブラウザでも同様に保護されることを目指しています。
サードパーティのCookieをブロックするGoogleの計画は、「プライバシーサンドボックス」の成功を条件としています。彼らのブログ投稿は、W3Cの広告ビジネスグループで提案に対して受け取った肯定的なフィードバックを高く評価していますが、W3Cのプライバシー監視グループのレセプションは、それほどバラ色ではありませんでした。
GoogleがChromeでトラッキングをブロックするために小さな小さな一歩を踏み出そうとしている、という提案自体は、朗報です。しかし、Googleは2年間という元々緩やかなタイムラインにさえ多数のアスタリスク(注釈)を付けています。同時にChromeは、最も人気のある効果的なトラッカーブロック拡張機能に不可欠な機能を削除するも計画していると同時に発表しました。つまり今回の提案は、単にGoogleが自らの元にトラッキングと広告に対するパワーを集め、それをプライバシー保護の動きであるように見せかけているものにしか見えません。
- Braveは人気のあるサードパーティの組み込みサイトについて、非常に少数ですが例外を設けています。これらの例外は、Braveの設定で無効にできます。
- Braveは少数の例外を設けていますが、ウェブサイトを破壊しないために必要な措置です。 これらの少数の代替手段は一時的であり、非破壊的でプライバシーを保護する代替手段に取り組んでいく中で置き換えられる予定です。 Braveのその他機能と同様に、これらの例外はオープンソースとして公開されています。
- W3Techデイリーレポートに基づく。