Amazon Bedrock上のClaude CoworkとBrave Search:組織にリアルタイムのWebインテリジェンスを
この記事は、Brave SoftwareシニアサーチエンジニアのFaheem Nadeem、AWSパートナーソリューションアーキテクトのMrinali Umashankar、AWS プリンシパルパートナーソリューションアーキテクトのAyan Rayによって執筆されました。
どのチームも同じ課題に直面しています。意思決定に必要な情報はWeb上に散在し、ドキュメントの中に埋もれ、絶えず変化し続けています。
しかし、情報を見つけること自体は問題の一部に過ぎません。チームはさらに、エンタープライズのセキュリティとコンプライアンスを維持しながら、AIが生成したインサイトをリアルタイムの情報源に基づいて裏付ける必要があります。
この記事では、Amazon Bedrock上のClaude CoworkとBrave Search MCPサーバーを組み合わせて、この課題にどう対処できるかを詳しく解説します。
CoworkデスクトップアプリケーションをBedrockと連携させる手順と、インタラクティブなユーザー主導のワークフロー向けにBrave Searchをローカルのサーバーとして追加する方法をご紹介します。
AI活用を組織全体に拡大
Claude Coworkは、Anthropicが提供するエージェント型AIデスクトップアプリケーションです。リサーチ、ドキュメント分析、データ処理、レポート生成といった作業をClaudeに委任できます。サードパーティ(3P)モードのCoworkを利用することで、組織はすべてのモデル推論を自社のAWSアカウント上のAmazon Bedrockを通じて処理できます。プロンプト、レスポンス、ファイル、ツールの出力が顧客のクラウド環境の外に出ることはありません。
あらゆる業界の組織が、Amazon Bedrock上のClaude Codeを活用して開発者の生産性向上とデリバリーの加速を実現しています。Amazon Bedrockを使えば、既存のAWS環境の中で構築を進めながら、エンタープライズセキュリティやリージョンごとのデータ所在管理を維持し、推論をスケールさせることができます。データは常にお客様のアカウントの管理下に置かれます。Amazon Bedrockはプロンプト、ファイル、ツールの入出力、モデルのレスポンスを保存せず、これらのデータがファンデーションモデルのトレーニングに使用されることもありません。
Amazon Bedrock上のClaude Coworkは、この同じ信頼モデルを組織内のすべてのチームに提供します。
Cowork 3Pモードで変わらないもの
- 長時間タスク: 複数ステップにわたるリサーチ、エージェント型コーディング、複雑なワークフロー
- Coworkの全UI: プロジェクト、アーティファクト、メモリ、ファイルのアップロード・エクスポート、リモートコネクター、スキル、プラグイン
- MCPサーバーサポート: 組織が承認した外部データソースやツールへの接続
- サンドボックス実行: シェルコマンドはセキュリティが強化されたVM内で実行され、ファイルアクセスは許可されたフォルダに限定
変わるもの
- Anthropicアカウントへのログイン不要: 認証はIAMまたはAmazon Bedrock APIキーを通じて行われる
- Anthropicへの会話データの流出なし: プロンプト、レスポンス、ファイル、ツールの出力は設定済みのAmazon Bedrockエンドポイントのみに送信され、ローカルマシンのみに保存される
- AWSアカウントでの請求: Anthropicからのライセンス課金なしで、従量課金制
- 一元管理: すべての設定は既存のMDM(Jamf、Intune、Workspace ONE、またはGroup Policy)を通じて配信され、エンドユーザーが上書きすることはできない
このアーキテクチャは、金融サービス、政府、ヘルスケア、防衛など、厳しく規制されたエンタープライズ向けに設計されています。Amazon Bedrockは同一リージョン、地理的クロスリージョン、グローバルクロスリージョンの推論プロファイルを提供しており、組織に適したデータ所在管理のレベルを選択できます。
Brave SearchとCoworkを組み合わせることで得られるもの
それぞれのコンポーネントは異なる課題を解決します。そして組み合わせることで、その価値はさらに高まります。
- Brave Search MCPサーバー: リアルタイムのWebアクセスを提供します。400億ページ以上を誇るBrave独自の検索インデックスを基盤とし、Brave Search APIは標準のMCPインターフェースを通じて、構造化されたWeb検索結果、ニュース、ローカル検索、AI最適化スニペットを提供します。
- Amazon Bedrock上のClaude Cowork: エージェント型のランタイムを提供します。ドキュメントの読み取り、複数ステップにわたるリサーチの実行、ファイルの処理、サブエージェントの調整、そして完成した成果物の返却まで、すべてのモデル推論はAWSアカウント内のAmazon Bedrockを通じて処理されます。
これらのツールを組み合わせることで、以下のようなワークフローが実現します。
- 最新データに基づいた出力: Claudeはアップロードされたドキュメントを分析しながら、リアルタイムのWeb検索結果で補完します。これにより、古くなったトレーニングデータではなく、現時点の実態を反映した出力が得られます。
- 検証とクロスリファレンス: Claudeはアップロードされたドキュメント内の主張を現在のWebソースと照合してファクトチェックし、古い情報にフラグを立て、矛盾点を浮き彫りにします。
- 知識ギャップの自動補完: アップロードされたドキュメントに不足がある場合、Claudeはその欠落箇所を特定し、Brave Searchを使って出典付きの最新情報で補います。
- 出典付き成果物の生成: Webから取得したすべての情報にはURLが付与されるため、最終的な出力は監査可能でトレーサブルです。
セキュリティモデルは全体を通じてクリーンな状態を保ちます。モデル推論はAmazon Bedrockに送られ、MCPサーバーの接続は組織が承認したエンドポイントに限定されます。Brave Search APIキーはMCPサーバーの設定内にのみ保存されます。会話データはユーザーのローカルマシンとAmazon Bedrockエンドポイントにのみ残ります。
アーキテクチャの概要
- モデル推論 は、設定済みのAWSリージョン内のAmazon Bedrockのみを経由します。
- MCPサーバーの接続 は、組織が承認したエンドポイントに限定されます。Brave Search APIキーはMCPサーバーの設定内にのみ保存されます。
- オプションのテレメトリ(トークン数、モデルID、エラーコード)はAnthropicに送信されますが、完全に無効化することも可能です。
Claude CoworkはすでにAWSで利用している各サービスと連携します。IAMによる認証、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)エンドポイントによるネットワーク分離、Amazon CloudWatchへのOpenTelemetryエクスポートによる可観測性、そしてAWS CloudTrailによる監査が利用可能です。
Brave Search MCPを使ったCowork 3P
このパスは、インタラクティブなユーザー主導のワークフロー向けです。チームはCoworkデスクトップアプリケーションを使ってClaudeに作業を委任し、Claudeはタスクに最新のWebデータが必要な場合にBrave Searchを活用します。
ステップ1:Amazon Bedrock上のClaude Coworkをダウンロードして設定する
- claude.com/downloadにアクセスし、Download for macOS(またはWindows) を選択します。
- Claude DesktopでDeveloper Modeを有効にします。
- 上部メニューバーで Help を選択します。
- Troubleshooting を選択してサブメニューを展開します。
- Enable Developer Mode を選択します。
これにより、SettingsのLocal MCP Servers設定を含む Developer タブが有効になります。
- Bedrockの接続を設定します。Configure third-party inference ページで、Connection の下にある Bedrock (AWS) を選択します。AWSリージョン(us-west-2など)とAWSベアラートークンを含むAWS認証情報を入力し、Apply locally を選択して保存します。
- Claude Desktopを起動します。初回起動時に認証プロンプトが表示されます。「Claudeをどのように使用しますか?」というメッセージとともに、このデバイスでローカル設定が見つかった旨が表示されます。Continue with Bedrock を選択します(Anthropicアカウントは不要です)。
設定が完了すると、Amazon Bedrock上のClaude Coworkは組織内のすべてのチームに、複数ステップの作業をエンドツーエンドで処理できるAIアシスタントを提供します。アップロードされたドキュメントをまたいだリサーチの委任、相反するインプットの構造化された成果物への統合、データファイルの処理と変換、出典付きレポートの生成、そしてCodeタブを通じたエージェント型コーディングワークフローの実行まで、すべて同じBedrock推論設定のもとで利用できます。
それでは、Claude Cowork + Bedrock内でBrave Searchを活用する方法を詳しく見ていきましょう。
ステップ2:AWS MarketplaceでBrave Search APIをサブスクライブする
- AWS Marketplace上のBrave Search MCPサーバーのリスティングにアクセスします。
- サブスクリプションの手続きを完了します。
- Brave Search APIページからBrave Search APIキーを取得します。
各プランには毎月5ドル分の無料クレジットが含まれています。カスタムの利用上限と組み合わせることで、概念実証(PoC)をあなたや組織への費用負担なしで実施できます。
ステップ3:Brave Search MCPサーバーを設定する
- マシン上のclaude_desktop_config.jsonファイルに移動します。macOSの場合、ファイルは以下の場所にあります。
~/Library/Application Support/Claude-3p/claude_desktop_config.json ファイルを右クリックし、任意のエディター(Visual Studio Codeなど)で開きます。
- mcpServersオブジェクトにBrave Search MCPサーバーの設定を追加します。
{
"mcpServers": {
"brave-search": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-brave-search"],
"env": {
"BRAVE_API_KEY": "<YOUR_BRAVE_API_KEY>"
}
}
}
}
- 設定ファイルを保存し、Claude Desktopを再起動します。
- Settings に移動して Developer タブを選択し、Brave Search MCPサーバーが Local MCP Servers リストに「running」ステータスバッジ付きで表示されていることを確認します。
ステップ4:連携をテストする
Claudeに最近の出来事について質問してみましょう(例:「AWSの最新パートナーシップ発表は何ですか?」)。Claudeは以下の処理を行います。
- Brave Searchツールの使用許可をリクエストします(初回使用時に許可プロンプトが表示されます)。
- BraveのライブWebインデックスに対して検索を実行します。
- 現在の情報に基づいた、出典付きの結果を返します。
Brave Search MCPのCowork 3Pへの設定が完了しました。チームはワークフロー内でリアルタイムの検索結果に直接アクセスできるようになります。
参考情報
- Brave Search and AWS hands-on workshop
- Building a Market Research Agent with Brave Search MCP and Amazon Bedrock AgentCore on AWS re:Post
- Sample code repository on GitHub
- Claude Cowork Configuration Reference
- From developer desks to the whole organization: Running Claude Cowork in Amazon Bedrock on the AWS Machine Learning Blog
料金と提供状況
- Amazon Bedrock上のClaude Cowork: 既存のAWS契約を通じた従量課金制。Anthropicからのライセンス課金はありません。
- Brave Search API: SearchプランはCPM5ドル(1リクエストあたり0.005ドル)で利用可能。毎月5ドル分の無料クレジット付き。AWS Marketplaceで提供中。
- Brave Search MCPサーバー: AgentCore、Amazon ECS、Amazon EKS、またはローカル環境へのデプロイ向けに、AWS Marketplaceのコンテナイメージとして提供中。
- 提供状況: Claude CoworkはmacOSおよびWindowsで利用可能。Amazon BedrockでClaudeモデルが利用できるすべてのAWSリージョンに対応しています。
まとめ
ローカルまたはAmazon Bedrock AgentCore上にデプロイされたBrave Search MCPランタイムは、リアルタイムWebをエージェント型AIワークフローの強力なツールへと変えます。MCP層は認証情報の保存、リクエストのフォーマット、APIとの通信を担うため、エージェントは本来の作業に集中できます。
かつてはカスタム統合、シークレット管理戦略、大量の定型コードが必要だった作業が、設定ファイルと数行のPythonコードに集約されます。これがAWS上のMCPが持つ実用的な価値です。外部APIは、AWS全体ですでに活用しているのと同じセキュリティモデルと運用のシンプルさを備えた、ファーストクラスのエージェントツールになります。
はじめてみましょう:
- Claude DesktopダウンロードページからClaude Desktopをダウンロード
- AWS MarketplaceでBrave Search MCPサーバーをサブスクライブ
- Claude Cowork設定リファレンスに従ってAmazon Bedrockのセットアップを実施
- sample-brave-demosリポジトリをクローンして独自のエージェントを構築

